相続トラブルを防ぐ方法は?

 大阪府池田市にあります、ささのは司法書士事務所です。

 弊所に寄せられる相続相談の中には、相続人間で争いが起きている案件もあります。そういった案件は弁護士等を挟み解決を目指すことになりますが、多大な労力とお金がかかってしまいます。自分の死後、仲が良かったご家族がそのような争いを起こすことは誰も望まないでしょう。

 やはり最善は相続トラブルを起こさないことです。今回は相続トラブルを防ぐ代表的な方法を4つ紹介します。

1.遺言書を作成する

 1つ目は遺言書を作成することです。遺言書があれば、財産の分割方法は原則遺言に従うことになります。 相続トラブルの多くは遺産分割協議で起こります。「この分け方は納得できない」「いや、お前は父の生前から贔屓してもらっていたじゃないか」のように、話し合っていくうちに感情ももつれ、収集がつかなくなります。そこで被相続人があらかじめ自らの意思をしたためておくことにより、トラブルを防ぐことができるのです。

2.家族信託を利用する

 2つ目は家族信託です。これも生前に財産の使い方を決めておくという点で遺言と共通します。

 家族信託とは、自らの財産を信用ができる家族に預けて管理・処分してもらう契約のことです。この契約の良いところは、管理・処分する者と財産の収益を受け取る者を分けることができるところにあります。例えば、自ら所有している賃貸アパートを息子に管理してもらい、その収益(賃料)は孫の教育資金に充てるといったスキームも取ることができます。 この家族信託は財産の所有者が亡くなった後も存続させることができます。その点で相続トラブル防止にも利用できるのですね。

3.後見制度を利用する

 3つ目は後見制度を利用することです。

 相続トラブルが起きる原因として、生前の財産管理が考えられます。特に被相続人が生前認知症を患っていた場合、その介護をしていたご家族がお金を私的に浪費していたのではないかという疑いをかけられることがあります。それが事実かどうかはともかくとして、そのような疑念が相続人間で発生してしまった時点でトラブルは免れません。 そこで後見制度を利用します。成年後見は、端的に説明すると、家庭裁判所の監督する後見人が本人の財産管理や身の周りのお世話をする制度です。後見制度を利用しているのであれば、上記のような疑念は起こりにくいため相続トラブルを防ぐことができます。

 なお、後見制度については下記の記事で詳しく解説しています。ご参照ください。
 成年後見制度って何?

4.財産を現金化する

 4つ目は財産をあらかじめ現金化しておくことです。

 先ほど述べた通り、相続トラブルの多くは遺産分割協議の段階で発生します。この時、相続人は「他の相続人より自分の方が相続する財産が少ない(価値が低い)」という不満を持っていることがあります。これは不動産などの非金銭的な財産が多いことが原因です。もちろん、不動産であれば評価額や路線価などである程度価値を算定できます。ただ、そのように数値化できる財産ばかりではありません。また不動産であっても、引き継ぐ人によっては評価額ほどの価値を感じられないということも少なくありません。例えば関西に定住している人にとっては東北や沖縄の不動産はそこまで欲しくはないと思います。 そこで、生前にできるだけ財産を現金化しておくことによって公平な分割ができるようになります。現金であれば誰であっても同じ価値のものを受け取ることができるため争いにはなりにくいです。


 以上が相続トラブルを防ぐ代表的な4つの方法でした。これ以外にももちろん方法はありますし、上記に記載した方法もメリット・デメリットがあります。もし、本当にご不安な場合は無料でご相談に乗りますので、遠慮なく仰ってください。